読了目安時間は約 9 分です。
デザイナーとして独立したい、でも自分にできるのだろうか。不安も多いと思います。失敗しないためにはどうすれば良いのか、行動を起こす前にまず自分の気持ちを整理してみましょう。
「何とかなるんじゃないの?」「とにかく今すぐ独立したい」そんな方にも読んでもらいたいと思います。
独立前の心構え【5つのポイント】
- なぜ独立したいのか
- 何が出来るのか
- 資金繰りは大丈夫か
- 人脈づくりはできているか
- 退職のタイミングと退職方法を考える
[kanren postid=”187″][kanren postid=”204″][kanren postid=”306″][kanren postid=”327″][kanren postid=”367″]
シリーズの第3回目です。
資金繰りは大丈夫か
最低限ネットとPCとアプリケーションと電話があれば仕事ができるため、事務所や店舗開設費用などの初期投資がかからず、他業種と比べて開業資金が少なくてすむのがフリーランスデザイナーの良いところ。とはいえ、当然ですが全く資金が必要ないということはありません。資金繰りについても考えておく必要があります。
なぜなら、独立してすぐに十分な仕事が得られる保証はなく、またお金もすぐに入ってこないのです。しばらく仕事がなくても生活できるだけの貯金を蓄えておく必要があります。どのくらいを目安にすればいいかというと…
2〜3ヶ月、できれば半年分の生活費用を確保
半年も?! という方もおられると思います。いま現在会社員の方はあまり想像つかないと思うのですが、そもそも独立した後すぐにお金は入ってこないです。
企業と取引する場合、納品済み案件についての報酬は1ヶ月単位でまとめて請求して30〜40日後くらいに入金される(これを支払いサイトといいます)というのが基本的な流れになります。
一般的な案件のワークフローは
- 問い合わせ
- 企画・見積もり
- 仕様決定
- デザイン・制作作業
- 印刷または実装
- 納品
- 請求
- 入金
といった感じだと思います。
フライヤーのような印刷物の場合ですが、1から6までスムーズに事が運んだとして約1ヶ月、その月末にうまく請求書を発行することができれば入金される8まで最短2か月となります。が、大体の場合1〜6で1ヶ月半、7までで2ヶ月、8まで3ヶ月かかります。もし予定より制作期間が長引いて納品予定日がずれたり、クライアントさんから「月末締め翌々月末払い(60日サイト)」と言われたりすると…半年後に入金されるということにもなりかねません。というか私は実際そんな状況になりました…
そもそも、これは独立後すぐに受注できた場合の話です。もし受注できなかったら…ということも当然考えて置かなければなりません。しかも簡単な印刷物のパターンですので、冊子物やWebサイトの構築だったらさらに長いです。
お金の流れについて、会社員時代は意識することが無かったかもしれませんが、独立するとなればそうはいきません。
とにかく、独立して最初の2ヶ月間は収入がないと思っていたほうがいいです。
さらには、
- 仕事の量には波があり、いつ途絶えるか分からない
- クライアントから支払いが遅れる、または支払われないケースもあるかも
- 初期投資が必要な場合もあるかも
- もしかしたら病気や怪我で動けなくなるかも
ということも考えて置かなければなりません。
生活を維持するだけでなく、できれば事業を継続する資金も計算しておきましょう。
余裕があればあるほど良いです。とりあえず手元に現金があれば、目先のお金欲しさに条件の悪い仕事に手を出さなくても済むようになります。
私はココで苦労しました。こちらの足元を見る企業ばかりですからね、ホント。
会社員時代から貯金しておく
とはいえ、普通に会社に勤務しながら貯金していくのは、高額のお給料をもらっている方ならともかく、一般社員の方には難しいところもあると思います。少しづつなら可能でしょうが、それでは時間がかかる…
それなら、副業も比較的簡単にできる時代になってきたので、今のうちになにか副業を始めてみると良いと思います。独立後のシミュレーションにもなりますので一石二鳥です。
副業で、会社への経済的依存から脱却する
会社に勤めている間は、会社には経済的に依存せざるを得ません。フルタイムで働いていれば、ほかに収入を得る手段がないのですから。なので副業で副収入を得る方法を考えるしか無いと思います。
もちろん、時間的にはかなり厳しいと思います。デザイナーは拘束時間がとにかく長い仕事ですから…。睡眠時間や休日を犠牲にするのはあまり得策ではないですが、余暇を圧縮したり、スキマ時間をうまく利用したりして時間を工面しましょう。ただし、無理をするとすぐ息切れして独立前に挫折するのでほどほどに。
そうしないと、いつまで立っても会社依存から抜け出せません。
副業といっても、何でも良いわけではありません。限られた時間を有効活用するためには、シミュレーションも兼ねて独立後の仕事に関する副業をしたほうがいいです。うまくいけば収入だけでなく、独立してうまくいくための自信も得られます。ですので間違ってもコンビニや警備員などのバイトは避けましょう。消耗するだけです。
クラウドソーシングを利用する
では具体的にどのような副業をすればよいか。もちろん親しい人から直接仕事をお請けするのも良いですが、そう簡単にもいきません。それが難なくできるならすでに独立していると思いますので…。
デザイナーであれば、今ではクラウドソーシングで簡単に副業ができます。クラウドワークスやランサーズ、ココナラあたりが有名ですが、ほかにも沢山ありますので調べてみてください。ロゴ制作から名刺・フライヤー・バナー作成・Webサイト構築…などなど。時間的な理由から納期が合わず、なかなか受注できないかもしれません。が、少しづつでも良いので受注してみましょう。
ブログを立ち上げアフィリエイト収入を得る
ブログを立ち上げてみるのも良いと思います。アメーバブログでもいいですし、WixとかJimdoとかAmeba Owndとか無料で簡単にホームページを構築してそのまま公開できるサービスも沢山あります。無料ドメインを取得して無料サーバにWordPressをインストールし無料テーマで構築してもいいです。
とにかくブログ記事を書いて、自分が持っている知識やノウハウをアウトプットしていくことで自己ブランディングになりますし、記事を読んだ人から仕事がもらえる可能性もあります。
ただ独立後のことを考えると、若干費用はかかりますが有料ドメインを取得して有料サーバにWordPressをインストールして運用するほうが断然良いです。ここでしっかりしたサイトを構築しておくと、独立後もそのまま利用できますし、Webサイト構築に不慣れな方であれば練習にもなります。アフィリエイトで収入を得ることも可能です。無料テーマでもよいですが、有料テーマを利用したほうが早いです。時間を有効に使うことを優先しましょう。
費用がかかるといっても、有料テーマを利用しても月額1,000〜1,500円ほどです。アフィリエイトは収益化まで少々時間がかかるので、そういった意味でも早めに着手したほうが良いですし、独立準備をしているうちにある程度の報酬が発生すると思います。初期費用は自己アフィリエイトでペイできます。
サーバなら「エックスサーバー」「さくら」「ロリポップ」がオススメです。どこも安定していて安心感があるのですが、安さでいえば「ロリポップ」です。
テーマは「スワロー」「ストーク」「THE・THOR」あたりがオススメです。このサイトで使用している「スワロー」がシンプルで使い勝手が良いですね。
フリーナンスの導入も検討してみる
前述の「請求書発行から振込までのタイムラグ(支払いサイト)」があってすぐに入金されない件について、これを解決できるサービスが2018年からローンチされています。
【FREENANCE(フリーナンス)】という、ロリポップと同じグループの会社が運営しています。手数料が必要ですが、発行した請求書を買い取ってくれて、なんと最短即日で自分の口座に振り込んでもらえます。初めのうちは手数料が10%ですので多用すると苦しくなるかもしれませんが、支払いサイトを気にしないで済むようになるのは大きいです。
また、独立に必要な口座開設ができ、クライアントとのトラブルに対しての補償もついてきますので、独立準備のひと手間が省けます。上記のクラウドソーシング用口座としても利用できますし、請求書の買い取りを申し込まなければ無料で利用できますので、今のうちから登録しておいても損はないので検討してみてください。
フリーナンスについての記事はこちら。
[kanren postid=”274″]
まとめ
- 半年分、最低でも2〜3ヶ月の生活費用は確保する
- 1ヶ月いくら位のランニングコストがかかるか把握しておく
- 今から副業で資金を蓄えておく
- 経済的に(やがては心理的にも)会社依存から脱却する
今回は以上です。
他の4〜5のポイントについては、また後日にて。