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デザイナーとして独立したい、でも自分にできるのだろうか。不安も多いと思います。失敗しないためにはどうすれば良いのか、行動を起こす前にまず自分の気持ちを整理してみましょう。
「何とかなるんじゃないの?」「とにかく今すぐ独立したい」そんな方にも読んでもらいたいと思います。
独立前の心構え【5つのポイント】
- なぜ独立したいのか
- 何が出来るのか
- 資金繰りは大丈夫か
- 人脈づくりはできているか
- 退職のタイミングと退職方法を考える
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シリーズの第4回目です。
人脈づくりはできているか
フリーランスに人脈は必要か?という意見もあるようですが、結論からいうと『人脈は必要』です。
実際は、順調に独立できるレベルの方であれば会社員時代の狭い人脈のままでも仕事は回ってきますので、生き延びることは可能です。が、殆どの場合はライスワークで手一杯になり、同じような仕事を延々続けるということになります。
「人脈」は、そこから抜け出す手がかりになります。
「人脈」は資産
「人脈」からは、
- クライアント
- スキルやテクニック
- 有益な情報
- 販路拡大
- 協力者
などなど、いずれも収入や安心につながるものです。
独立すると痛感するのですが、1人でやっていると孤独なんです。「デザイン面で悩んでいて誰かの意見が聞きたい」とか「こんな作業があるんだけど楽な方法ないかな?」といった、会社員時代ならちょっと話すだけで解決できることができなくなったり、「こんなセミナーあるみたいだよ」といった情報も激減します。適切な人脈が構築されていると、こういった問題の対策にもなります。
協力者はいるか
会社員と違って、ピンチに陥っても誰かが何とかしてくれる、なんてことはなくすべて自分で対応しなければなりません。とはえい、自分ひとりの力なんて限界があります。
自分でできないことは外注してでも対応しなければなりません。繁忙期にヘルプしてくれるデザイナーやDTPオペレーター、ひとりでは対応できないようなWebサイト構築やコーディングを協力してくれる人、デザイナー界隈では苦手な方が多い経理事務、などなど。協力者がいればいるほど安心です。
在職中にできるだけ社外の人とつながる
会社員のうちに、社外に出る意識を持ちましょう。
時間的に難しいかもしれませんが、セミナーや勉強会に積極的に参加し、懇親会などにも顔を出ましょう。
デザイナーが集まるセミナーなどがあれば、情報交換やスキルアップ、協力者づくりに繋がります。異業種交流会のようなものだと、後々クライアントなる人と出会ったり、そうでなくても今ままで知らなかった業界の知識を得て見識を深めることに繋がります。会社員だとよほど職位が高くないと経営者レベルの人と会えませんが、こういった会では経営者と直接話すことも可能なんです。
独立に向けた先行投資でもあり、将来クライアントと商談するための練習でもあるのです。
といっても、デザイナーという仕事を理解してくれる人は他業種にはまだまだ少ないので(デザイン経営という考え方がまだ心としていないので…)話が合わないことも多々あります。時間の無駄だと感じた場合はさっさと退散しましょう。
事業主・経営者とつながる
年の近い事業主・経営者同士だと歓迎される傾向にあります。会社員時代、私も同級生から「独立してみなよ」なんて言われなければ「独立しようかな…」なんて発想にはたどり着かなかったと思いますし、会えば結構誘われたりします。独立後もいろんな会合に誘われて、厄介な話を持ち込まれることもありますが、同業の先輩経営者から貴重なアドバイスをいただくこともできました。
「近いうちに独立しようと思うんです〜」なんて言えば、結構いろんなアドバイスがいただけます。みんな仲間がほしいんです。
会社員に甘んじていると、あまりいい話をいただくことはないですね。独立してみようという気概がある前向きな人に対しては「アドバイスしてあげよう」という気持ちになるものなんです。
独立してやっていくために必要な知識は山程あります。私もまだまだ知りたいことだらけです。独学やググるだけでは限界があります。
話が合わないと思えば、そっとフェードアウトしましょう。雇われているわけではないので、嫌な上司にずっと付き合うようなことはしなくて大丈夫なんです。
話の合う人を見つけて仲良くなれば、先輩経営者ならメンターになってくれるかもしれませんし、運良く開業前からお仕事をいただけるかもしれません。同業の方なら心強いです。
会社員だと気付きませんが、事業主・経営者ってけっこう身近にたくさんいるんですよ。お話するチャンスはわりとたくさんあります。都合のつく会合から顔を出していきましょう!
在職中にいまのクライアントさんとも仲良くしておく
それなりに経験を積んでいれば、担当のクライアントさんから気に入ってもらえることも多々あります。食事に誘われることもあるかもしれません。そういった方とも懇意にしておきましょう。
独立後もお世話になる可能性がありますから。
ただし、会社に秘密でクライアントと合うのは会社にとって不審な行動に見えますし、会社に退職を申し出る前にクライアントに話してしまうと思わぬトラブルが発生するかもしれません。できるならクライアントとの接触はオープンにし、退職の話はこの時点ではまだ胸のうちにしまっておいてください。
あと、独立時にクライアントさんを引っ張っていくのはマズイです。もしそのクライアントさんを引っ張っていくなら、会社には前もって正直に話して交渉したほうがいいです。そうじゃないと円満退社は不可能になりますし、独立前後の無用な揉め事は時間を浪費するのでなるべく避けたいですね。
話がうまくいけば、会社に「 Tobi君に仕事を出してあげてよ」なんて言ってくれるかもしれません。独立直後は実績もなく信用が無いのですが、初めから自分の実力や人柄を知っているクライアントはホントにありがたいです。大事にしましょう。
「仕事あげるよ」は過信しない
とはいえ…「そうかそうか、仕事出してあげるよ」と言ってくださるのはとてもありがたいお話ですが、この言葉を当てにするのは危険です。
ただのリップサービスの場合も往々にしてあるのです。喧嘩でもしない限り、目の前にいる相手に「君には絶対仕事を依頼しないよ」なんていう人は滅多にいないですからね。とりあえず人が喜びそうなことを言っておこう、といった感じです。私の場合、本当に直接取引につながったのは2〜3割くらいでしょうか。
運良く取引に至ったとしても、ずっと継続してお仕事をいただけるとは限りません。間違っても捕らぬ狸の皮算用で計画するのは止めましょう。
そういった直ぐ取引につながらない方でも、長い目で見れば何かしらの取引に関わってくることもあります。
拡がった人脈は大事にしましょう。
まとめ
- 在職中にできるだけセミナー・勉強会・懇親会などに参加して社外の人とつながる
- 人脈は資産。今のクライアントも大切にする
- 「仕事あげるよ」は過信しない
最後の5番目のポイントについては、また後日にて。