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デザイナーとして独立したい、でも自分にできるのだろうか。不安も多いと思います。失敗しないためにはどうすれば良いのか、行動を起こす前にまず自分の気持ちを整理してみましょう。
「何とかなるんじゃないの?」「とにかく今すぐ独立したい」そんな方にも読んでもらいたいと思います。
独立前の心構え【5つのポイント】
- なぜ独立したいのか
- 何が出来るのか
- 資金繰りは大丈夫か
- 人脈づくりはできているか
- 退職のタイミングと退職方法を考える
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シリーズの第5回目、最終回です。
5.退職のタイミングと退職方法を考える
これまで考えたことを整理して、独立できる体制がある程度できるまでにどのくらいの時間が必要か考え、退社する時期を決めましょう。ちなみに私が独立を思い立ってから退職するまで、2〜3年はかかりました。しっかりやれば1年くらいで退職できるかもしれません。
独立できる体制が整うまでの時間を考える
会社を辞める時期がおおまかに決まったら、そこから逆算して具体的に行動してきましょう。
具体的な準備については後日記事にまとめたいと思います。
繰り返しますが、間違っても体制が整っていないのに焦って無闇に退職するのは止めましょう。取り返しのつかないことになるかもしれません。
なるべく円満退社することに努める
同時に、会社の辞め方を決めましょう。といっても退職届を出すだけなのですが、大事なのはそのタイミング。
法律上は辞める2週間前に退職願いを出せばよく、強引に退職することは可能です。
ただ…経験上、円満退社が一番望ましいです。
あなたが今やっている仕事は、すぐ誰かに引き継げるものでしょうか?あなたの代わりができる人は社内にいますか?
会社の立場から考えると、業務に穴を開けることを防ぐことを優先しなければなりません。会社はあなたがいなくなった後も、変わらず引き続き事業を続けなければなりませんので、あなたの後任を探し、引き継ぎすることが必要です。人材は直ぐ見つかるわけではありません。新たに人を雇うには求人募集を出し、面接して採用、会社に慣れてもらいながら引き継ぎする…となると2週間では到底できません。退職するのはあくまであなたの自己都合ですが、同じように会社にも都合があるのです。
会社の都合を完全に無視するなら、会社と揉めるのは必至です。辞める2〜3ヶ月くらい前には退職願を出て、なるべく無用なトラブルは避け、穏便に退職することを優先しましょう。
なぜ円満退社が望ましいか
というのは、円満退社かどうかで独立後の立ち回りが変わってくるからです。
会社にかける迷惑を最小限に抑え円満退社できた場合、元の会社から仕事を貰えることも可能になります。
会社、特に同僚の営業社員や直属の上司からするとからすると、業務を熟知している元社員に外注することは結構なメリットになるんです。
イチから説明する手間が大幅に減りますし、勘所を押さえているのでミスも少ないはずです。「ほかの外注業者と比較して段取り良く仕事できる」というのは大きなアドバンテージなのです。
また、あなたと深く関わっていたクライアントにとっても、円満退社じゃないと知れたら疎遠になる可能性があります。やっぱり、揉め事を起こす人と取引したくはないですからね。
営業すること無く、独立直後から早々に仕事がもらえるのは、フリーランスにとって本当にありがたいんです。事業する上で見込み客をできるだけ増やすことは必須です。見込み客を無闇に減らすようなことは避けましょう。
引き止められたら
そんな優秀な方であればあるほど、強く引き止められると思います。
私の場合、昇給や昇進・待遇改善などの話はありました。何度も話し合って、なんとか納得してもらって円満退社できました。在職中は色々ありましたが、今ではクライアントと外注業者として繋がっていて、現在もお仕事をいただいています。
強引に辞めるのか、関係性を重視して時間がかかっても納得してもらえる状況を作るのか、検討しなくてはいけません。
ただし、違法な方法であなたを引き止めたり妨害するようなら話は別です。
労基等に相談しましょう。
会社依存を断ち切り、強く決意する
会社や組織に所属するということは、人生設計を他人に委ねるということです。働き方や収入は会社が決めるのですから、生活をある程度保証してくれて身を守ってくれるという側面もありますが、金銭的にも心理的にも会社に依存することになり、人生設計も会社に振り回されることになります。
フリーランス・個人事業主になるということは、すべての決裁権を持ち経営するということです。つまり、自分自身の人生を、会社でもなく他者でもなく、自分自身で決めるということです。
どういう方針でどういう仕事をし、どうやって収益化し何に投資しするか。今できることを優先するか、新しい事業をすすめるか…自分が選択した結果は自分に返ってきます、良くも悪くも。
逆に言えば、自分が正しいと思う方法を貫くことができます。練りに練ったアイデアや目標とする人から学んだ経営、苦難の果に見出した人生観が本当に良いものであれば、成功に向かうでしょう。
『自分の人生は自分で決める』ここまで来たら、覚悟を決めましょう。
家族の理解を得る
これは当たり前のことですが、家族がいるなら必ず独立の意向を話して了解を得るようにしましょう。
職場にはまだ公表しなくても、家族は別です。
生計を共にているのですから、独立することで家族の生活にも影響してきます。いきなり「独立する」と言っても、「生活費どうするの?」と不安を煽るだけです。「収入は増えるの?減るの?いったんは減るとしてもどのくらいの期間で元に戻るの?生活は安定するの?」これにちゃんと答えて、独立の目的や内容もしっかり説明して、納得してもらうことに努めましょう。
嫁ブロック・夫ブロックにきちんと対応できなければ、どのみち独立なんて無理だと思います。
まとめ
- 独立後を優位にするため、できるだけ円満退社を目指す
- 引き止められることを想定し、独立の決意を固める
- 家族には必ず独立の意向を話して了解を得る
以上で、5回にわたった『独立前の心構え』編は終了です。
最後に
私が大好きな言葉で、カナダの精神科医エリック・バーンの
「他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけだ。」
有名なこの言葉を胸に刻み、まず行動をはじめましょう。